狂言「附子」に登場する砂糖の話
我が家には上の写真に負けないくらいの“天使(2才)”がいるのですが、最近はなんにでも興味を持ち、また色々なものを食べたがります。
ついこの間も朝ごはんにスティックパン(菓子パン)を食べていたところ、来客があったため、一応娘に“食べないでね”と言って(わかってもらえないのはわかっていますが)、テーブルの上に置いたままにして来客の対応をしておりましたら、ものの見事に全部食べられていました。
photo by pixabay
photo by 写真AC
そういえば、狂言の“附子(ぶす)”にこんな話がありました。(ヘアピンカーブ)
とある主人が使用人である太郎冠者(たろうかじゃ)と次郎冠者(じろうかじゃ)に“附子”という毒の見張りを命じて外出します。(冠者=今回のこの狂言の中では“召使いの若者”を指します。)
二人はその“附子”が気になって、気になって仕方がありません。主人からはその方向から吹く風にあたっただけでも死んでしまうと脅されますが、それならと、うちわであおぎながら近づき、ついにそれが“砂糖”であると知って舐めつくしてしまいます。
私が見たときは、太郎冠者と次郎冠者が大きなうちわをあおぎながら、“あおげ、あおげ”“あおぐぞ、あおぐぞ”と掛け合いながら、コミカルに演じられていたのを覚えています。
その後、二人は“附子”を舐めつくしたことをごまかすため、わざと主人の大切なものを壊し、死んでお詫びをしようと“附子”を舐めたが死ねなかったと言い訳をします。
主人は怒って二人を追いかけながら幕が閉まっていく、そんなお話でした。
photo by pixabay
で、上の娘の話に戻るのですが、まあ、まだ言い訳されることもなく、部屋中の物を壊されることもなく、“きょとん”とこちらを見つめ返してくる娘が可愛いいし、“まっいいか”というお話でした。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。