砂糖の違いでフィナンシェの味が変わる。

こんにちは。最近イチゴをいただいたギンです。

 

今6月だから、イチゴの時期ももうそろそろ終わりかなという時期ですね。でも、もらったイチゴがとても甘くておいしくていいものもらったーと思ってます。

次はスイカくれないかな?

 

ところで、ケーキ屋をやってると12月のイチゴが一番困ります。ケーキ屋みんなでイチゴ争奪戦で、年末辺りになると価格がとんでもなく高くなっていきます。生クリームには苺ですからね。やはり。

今もそんな状況は変わらずなんでしょうか。

 

 

焼き菓子「フィナンシェ」

photo by 写真AC

ところでですが、先日テレビを見ていたらファミマのスイーツが取り上げられていました。その中でも特に気になったのは「フィナンシェ」という焼き菓子で、さっそく食べたくなって次の日にファミマに行ったらありませんでした。

みなさんはフィナンシェって知ってます?真上から見ると長方形で横から見ると台形で下がぷっくりしています。色は薄いきつね色で、台形の先端に行くと色が濃くなっていきます。そんなお菓子です。

で、このファミマのフィナンシェですが、一流職人が美味しいという評価を出すほどのものなのでぜひまた食べてみたいなと思ってたら、同僚がさっそく今朝食べてました。(チラッ)

 

さて、その番組の中で、フィナンシェの食感をよくするために、グラニュ糖ではなく粉砂糖を使ったとのことで、裏面の内容表示を見たら確かに粉砂糖が使われていました。以前にも「粉砂糖を使ったら食感や見た目に違いが出るよ」ってことを話しました。

別物?同じもの?砂糖と粉砂糖の違いについて考えてみる

ところで、なんで砂糖変えただけで食感が変わるのかと思いませんか?粉糖とグラニュ糖は種類でいえば同じ“ショ糖”です。ということで、今回はもうちょっと踏み込んで、なぜ食感が変わるのかを考えてみたいと思います。

 

 

 

食感が変わる不思議

まず、食感の変わる条件として、完全に溶けないこと。これは重要です。

なぜかというと、完全に溶けてしまったら粉糖だろうが、グラニュ糖だろうが全く同じ単なるショ糖溶液になるからです(粉糖に添加されてる副材料によるわずかな違いはあるでしょうが)

グラスのときにも言いましたが、白濁してる状態は溶けてるわけではありません。ドロドロしてるけど、溶けてないんです。

で、フィナンシェとかの焼き菓子に入ってる砂糖は完全に溶けてないことが多いです。だから粒の影響が出てくるというわけです。

 

 

 

材料と手順

photo by 写真AC

砂糖の変化を見るために材料と手順を先に見ておきましょう。フィナンシェの材料はおよそ次のようなものです。

・材料

  • 砂糖(グラニュ糖や粉糖)
  • 卵白
  • バター
  • 小麦粉
  • アーモンドパウダー

 

例のごとく、分量は覚えていません。たしか、卵白と砂糖とバターは1007.5gだったってのは覚えてます。(私んとこのレシピではね。中途半端な数字なのは、たぶん元のレシピを何倍かしたから。)

 

・手順

(1)バターを溶かしておきます。私んとこは焦がしバターでしたけど危ないので普通に溶かすだけでいいですよ。

(2)で、溶かしたバターを冷ましておきます。熱いと卵白が固まるかもしれないんでね。

(3)砂糖と小麦粉とアーモンドパウダーを一緒にふるって混ぜておきます。

(4)卵白だけをボウルに入れ泡立てないようにほぐしておきます。

(5)ほぐれた卵白に粉類を入れて混ぜます。

(6)まざったら、溶かしたバターを入れます。(ちょっと混ぜにくい)

(7)そして離型剤(バターとか)を塗った型に注いで焼く。

というような感じです。割と単純な作り方でしょ?

 

 

 

追跡!生地の中!!

photo by pixabay

さて、砂糖に密着してみましょう。

  • (4)までは特に砂糖に変化はないので気にしなくていいでしょう。
  • (5)で卵白と混ざるわけですが、ここで砂糖が卵白の水分を吸収し始めます。しかし溶けきれる量の水分はないので大半が溶け残りますね。
  • (6)でバターが入りますが、これでも溶けきりません。砂糖は油には溶けないのです。また、バター内の水分でも足りません。
  • 次の変化はオーブンの中です。砂糖は生地にまんべんなく入っていますね。オーブンの中で温められて生地の温度も上がってきました。表面から水分が蒸発していきます。しかし砂糖は水分をなかなか離しません。
  • もうちょっと温度が上がると離さなかった水分に砂糖自ら溶けてしまいました。水の温度が上がると砂糖の溶ける量もぐんと増えるんですね。つまり砂糖水になったと。
  • もっと温度が上がると砂糖液になっていたところの水分も蒸発してしまいます。さっきまで砂糖があった場所は空洞になっています。ついさっきまで溶けていた砂糖は空洞の穴にべたっと張り付いて残っています。
  • 空洞の中の空気が温められると空気が膨張して膨らみます。フィナンシェ全体も膨らみます。

 

と、こんな感じです。

この時に砂糖の粒の大きさによって空洞の大きさが変わってきます。この空洞が生地の目の粗さ、細かさになるんですね。表面のぶつぶつは空洞が膨張したものです。

となると、グラニュ糖で作るフィナンシェは目が粗く表面にもぶつぶつが目立ちます。それに比べて粉糖は目が細かく表面のぶつぶつも気にならない程度です。

これが砂糖の粒の大きさによる食感の違いの原理ですね。

 

 

ついでに言うと、パンに角砂糖を混ぜて焼くとその部分が穴が開いて穴の周りの生地が甘くておもしろいですよ。

フィナンシェは卵白を使うので、卵黄を使うお菓子を作ったときに卵白を消費するためのお菓子としての認識しかなかったので、今回のことでフィナンシェの地位が(私の中で)向上しましたね。

 

また機会があれば焼き菓子メカニズムやろうかと思います。

それでは、今回はこの辺で。

 

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