メロンパンの上にあった砂糖はどこへ?砂糖・オン・ザ・メロンパン!
こんにちは。パン屋さんのときにクマのパンを作っていたギンです。(まあまあ売れる。写真はあくまでイメージです。)
クマの耳を大きくして焼けばカエルになるので気分でカエルにしたこともあります。「わっ。でっかくなっちゃった!」(…古い?)
カエルパンの名前をどうしても「木村カエル」にしたかったんですが、バイトの子に反対されて渋々「カエルパン」にしました。お客さんもほこっと笑顔になってくれればいいなと思っただけなのに、この遊び心がわかってもらえず残念。木村カエレ(知ってるかな?)よりはずいぶんマシかと・・・。なんてこともありました。クマは「クマパン」です。
それで、カエルパンではないですが今回は同じ緑つながりで、メロンパンの謎に迫ってみたいと思います。(メロンパンもカエルパンも緑じゃないけどね)皆さんメロンパンはお好きですか?パン屋さんに行けば必ずあるというみんなも大好きなメロンパンですが、メロンパンの皮の上に砂糖がのっかってるのとそうじゃないのがあります。知っていましたか?
ところで、砂糖がのっかっているのとそうじゃないのはいったい何の違いなんでしょうか?
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実はみんな砂糖を乗せてるメロンパン。
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まずメロンパンの皮といわれる上の甘い部分はクッキー生地なんですが、かぶせて作るタイプと、絞り袋で絞って作るタイプがあります。パン屋的には絞るのはメロンパンではなく、マカロンパンといわれるものです(たしか・・・)。
なので今回はかぶせて作るタイプの話をしていきます。
基本的にメロンパンはクッキー生地の上に砂糖を振りかけて(私のとこでは、メロンパンのお尻をつかんでひっくり返してグラニュ糖に押し当てていました)発酵させるものです。メロンパンで砂糖をつけないのは聞いたことないです。
だから実は、グラニュ糖が上についてるメロンパンもついていないメロンパンも始めは上にグラニュ糖をつけてるんですよ。でも、発酵の過程でグラニュ糖がなくなるものがあります。・・・ということなんです。
メロンパンに砂糖をかける意味
ではメロンパンの皮のグラニュ糖がなくなる理由の前に、なぜメロンパンの皮にグラニュ糖をまぶすのか?ということに焦点を当ててみます。
・・・実は、その理由を今まで聞いたことがありません。アイヤーお恥ずかしいアル。ただ、「こうなんじゃないか?」と思って作っていました。
それは、保湿です。
砂糖をかけるのは「保湿」のため?
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パン屋さんにはホイロやドウコンといった機械があります。これは湿度と温度を調節してパンをより早くいい状態で発酵させるための装置です。つまりイースト菌にとって最適な環境を作り出す装置ですね。彼らは湿った生ぬるいとこが好きなんですね。実はカビ菌と同類なのでカビもこの環境が大好きです。なので手入れを忘れると毎日カビと顔を合わせなければならなくなります。
・・・話がそれてしまいました。
メロンパンは、ほかのパンと違い、湿ったところで発酵させるのには適していません。なぜなら、クッキー生地がだれてくるからです。なのでこのホイロやドウコンに入れることができません。
だから、乾ホイロといって、乾燥したところで発酵させます。私の店では、オーブンの上に置いていました。
だけど乾燥しすぎるのも困る!そこでグラニュ糖をつけておけば、グラニュ糖がパンやクッキー生地から蒸発する水分を捕まえて乾燥を防いでくれるというわけです。
そこで、メロンパンの皮の砂糖が残ったり残らなかったりする理由ですが・・・
実際には発酵過程で皮の部分がどんどん湿ってきます。その時にグラニュ糖がその水分を吸って溶けてしまうのです。湿る原因はおそらくメロンの皮が溶け始めるからだと思います。ただ、液体になる温度でもないので、柔らかくなる程度なのでしょう。その時に湿るんじゃないかなと思っています。
では、砂糖が溶けないという結果になるということは、メロンパンの皮が溶けてこないということです。原因は材料の違いですね。一番は油脂の違いじゃないでしょうか。バターの融解温度は28℃~マーガリンの融解温度は35℃~です。
例えばクッキー生地に入れる油脂をマーガリン100%で作って、30度くらいで発酵させた場合、溶けないから、グラニュ糖もしっかり残ってくれると思います。だけど、私はマーガリン100%のメロンパンの皮も使ったことがないので、実際のところはこの理屈なのかわかりません。また、仮にバターを使っても、28度以下で発酵させれば、メロンパンの皮も溶けずに砂糖も溶けないメロンパンができます。ただ、時間がものすごいかかると思います。
・・・というのが、グラニュ糖のかかっているメロンパンとそうでないメロンパンの違いではないでしょうか。ただ、私が思うにはという想像の話です。
いや、砂糖をかけるのは○○のため?
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そこでさらに、砂糖をかける理由を調べてみると、こんなのが出てきました。
- 甘くするため
- 空気中から水分を集めるため
- カリッとさせるため
という意見があったのでちょっと考えてみたいと思います。
まず(1)の甘くするというのはこれは可能性が低いと思います。というのも甘くしたいのであれば、砂糖を増やせばいいので。さらに、表面に砂糖が残ることで舌に真っ先に砂糖が来て甘味を感じれるという意見もありました。もしそういう理由で砂糖を振りかけてるんであればほとんどのパン屋さんはメロンパン作りを失敗していることになります。実際に砂糖が上に残ってるメロンパンのほうが珍しいですから。
・・・ん?でも、もしかしたらほとんどのパン屋さんが失敗してるのかも!!なんて可能性もないこともない。
次に(2)に関しては、もしかしたら・・・!!と思う部分もあります。空気中から集めるなんて元気玉みたいですね。グラニュ糖をつけることによって、空気中から水分をかき集めてメロンパンの皮を柔らかくしているという理屈。ただ、グラニュ糖をつけずにメロンパンを発酵させたことがないのでこれもよくわかりません。
最後に(3)に関してです。おそらく溶けた砂糖がメロンパンの皮の上で固まってコーティングのようになることを想像してのことだと思います。でもこれは相当な量をメロンパンの皮にくっつけておかないとならないような気がしますが、どうなんでしょうか。
思えばメロンパンの皮ってムニュってなるものとサクッとなったりするもの、カリッとなったりするものがありますよね。砂糖によるコーティングがなくてもこれは材料によって作ることができます。このことに関しては次回位にカリッとなるメロンパンの皮とサクッとなるメロンパンの皮の作り方のレシピでも乗せたいと思いますです。
ということで、やっぱり保湿のためが一番有力じゃないかな~?と思います。
砂糖の保湿の話
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ちょっと話は変わりますが、この話を聞いて顔に保湿液の代わりにグラニュ糖をまぶそうと思ったそこのあなた!今夜は砂糖のベッドにハダカでうつ伏せに寝れば明日は全身つやつやだわ!とワクワクしているそこの奥様!
やめておいたほうがいいです。
きっと砂糖の吸水力によってお顔や全身がシワシワになること間違いなし!え・・・!砂糖には保湿力があるって言ったじゃん!はい、言いました、ただ砂糖が水分を持っていないときは砂糖が水分を奪っていってしまうのです。でもあるとこまで行くと砂糖が水分を分けてくれるようになるのですね。砂糖を使って保湿ということなんであれば、サチさんがご紹介した「シュガースクラブ」や「入浴剤」なんて作ってみたらいかがでしょうか?
それでは次回もメロンパンでやっていきます。
メロメロぱーんち。